そして下のような、一面雪景色のようなところが、ホワイトサンズだ。
サラサラの砂のようになった石膏が、あたり一面を覆う。
ちょうど夕方で、夕日が雪のような白砂が反射して綺麗だった。
到着した時はかなりの人数の人が訪れていたが、徐々に人が少なくなると、仲間がいても流石に怖くなった。こんな広すぎるところに、人間が数人だけ、無力感がすごかった。
ホワイトサンズを後にする前に、シャロットが僕たちが飲んでいた白ワインのビンを僕に渡し、「この白砂をロサンゼルスに持って帰ったらいいわ」と。
最高の旅だった。
こんな感じで、たまたまロサンゼルスのお寿司屋さんに食べに来たお客さんの言われるがままに、僕はニューメキシコを訪れた。
今でも、この出来事は忘れられない。
そして、この時から8年後の2017年の1月に「またそっちに行きたい」と久しぶりにメールした。
すると、またまた、はるばると1時間以上かけて、エルパソ空港へ、今回はシャロットが僕を迎えに来てくれた。シャロットの友達のジムも同席していた。
家ではトレスが、相変わらずの中南米訛りで、そしてシャロットの息子さん夫婦と子供達まで集まって、優しく迎えてくれた。
子供達が優しく素直に育ってる。
そして夕飯は8年前に連れて行ってもらった、シャロットのお父さんがデザインしたあのメキシコ料理屋さんへ。
お店は相変わらずの盛況だった。シャロットの息子さんのポールが、自分の注文した料理を取り分けてくれようとする。
次の日の朝は、8年前と同じく朝食はトレスが作ってくれた。あいにく僕の体調が優れず、食欲がなかったので、スクランブルエッグだけを食べた。
トレスは、僕がスクランブルエッグだけでいいというのを聞くと、少し残念そうに自分の分のパパイヤを切り、一緒に朝食を食べた。
この時は、次にニューオーリンズに飛ぶ予定だったし、その後は、ブライアン夫婦に会いにワシントンDC(正確にはメリーランド州)に行く、ちょっとしたアメリカ横断の旅の途中だった。
スケジュールがタイトだったから、今回は一泊だけさせたもらった。それでも十分甘えさせてもらった。お世話してもらった。
そして今日は7月4日。ちょうど9年前の2008年のこの日に、彼らに誘われて初めてニューメキシコを訪れた。そう今日はアメリカの独立記念日だ。
当時は、僕のアメリカ永住権の申請書類を移民局へちゃんと提出しなかった弁護士を訴えていた時だった。精神的にクタクタだった時だった。
去年2017年の1月は、僕のフォーのお店の状況も良くなく、自信喪失してお店を辞めようとしている時だった。僕のオリジナルの作品を提供していたので、世の中から、僕が全否定されている気分だった。
だからなお更、彼らの変わらない暖かさに、僕の心の深いところが安心した。
本当に救われた。ありがとう!
Happy 4th of july America!