やっぱりいろんな人が住んでるロサンゼルス!僕が見た日本では考えられない普通じゃない人たち!(2)

 数多くのメキシコ人と働いたが、その中でもレオンのエピソードが忘れられない。彼とは3年間一緒に働いた。

 

仕事のないメキシコを捨て、危険を冒して国境を越え、ロサンゼルスにやってきた。

 

当時彼は40歳くらいだったと思う。飲食店を2店掛け持ちして、自転車でロサンゼルス内を移動していた。

 

ものすごく働く人だ。給料は、毎月メキシコに住む離婚(奥さんの浮気が原因らしい)した前の奥さんとの間にできた娘さん(メキシコで夫婦生活)のために送り、そして今の家族のために当てられる。

 

ある日、メキシコに居る娘さん夫婦が、国境を渡ってアメリカにくるという。やはりメキシコで仕事がないらしい。

 

レオンがアメリカにきたのは15年ほど前。娘さんは小さかった。ということは15年ぶりの再会ということになる。

 

この話を聞いた僕たち職場の同僚も喜んだ。

 

ただ、無事国境を渡ってこれるのか。国境をこえる秘密のルートを知る誘導人にお金も支払い済みだという。

 

とうとうアメリカ到着の予定日が来た。

 

しかし、一向に連絡がない。

 

3日後、電話があった。どうやら何かあったようでルートを変更したらしい。同僚も一旦胸をなでおろした。

 

さらに3日後、まだメキシコの国境付近とのこと。

 

そして3日後、無事ロサンゼルスへ到着した!

 

同僚一堂に喜んだ!何より一番喜んだはレオンだろう。熱いものが流れそうになっていた。

 

普段のレオンの働きぶりのおかげだろう、店のオーナーはレオンの娘さんの旦那を即採用し、オーナーの持つサンドイッチ屋で雇用した。

 

40歳の手前で悠々と退職し、雇われの身分から解放された人の話!(2)

 

この大家さんをSさんと呼ぶことにしよう。

 

どうして不動産賃貸業を始めることになったのか聞いてみた。

 

すると理路整然と淡々と答えてくれた。30歳の時に、自分の働く呉服の業界がこれからも生存していけるのだろうかと疑問を持ったのがきっかけだという。

 

働いて10年、年々売り上げが落ちているのを目の当たりにして、もし会社が倒産したり、自分がリストラの対象になったら、どうやって食べて行けばいいのかと強烈な危機感が湧いてきたらしい。

 

いろんな副業を検討したが、不動産が一番いいという結論になった。

 

そして奥さんに不動産業を始める了解を得て、貯金の一部である150万円を使って大阪市郊外の物件を取得した。

 

Sさんは6ヶ月かけてほぼ自分で手直しし、時には寝袋を持参で物件に寝泊まりし、会社に通ったことも。

 

この1件目の物件が相当自信になったようで、2件目はローンを使って物件の数を増やしていった。

 

現在、退職はしたものの、これからしばらくは、シェアハウス作りに時間を取られるそうである。

 

それが落ち着けば、まだ小さい2人の子供との時間を増やし、中断していた趣味を再開して、ゆとりの時間を増やしていくのだそうだ。

 

すごいスピードで頑張ってきたのだから、ぜひ残りはゆったりとした人生を送って欲しいと思った。

 

 

去年の1月下旬、バルセロナ郊外のダリ美術館の近くの風景!

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